「俺は、咲良ちゃんが思っているほどできた男でも、善人でもない。人のためじゃなく、自分のために起業するような男だ……それでもついてきてくれた仲間がいた。そいつらのためにも、会社を潰されるわけにはいかなかったんだ」
それが、麗華さんに白い結婚を提案した理由。
深く息を吸った東條さんは、見つめ続けていたフロントガラスから視線をずらすと、悲しそうに笑って私を見た。
「結果的に隠すようなことをして、すまない。隠し事ばかりで信用なんて出来ないだろうけど、一つだけ信じて欲しいんだ」
薄暗い車内でもわかる東條さんの真剣な眼差しを見つめ返した。
「咲良ちゃんが好きな気持ちは、本当だ。お弁当を楽しみにしていたのも、部屋で咲良ちゃんがご飯を作ってくれたのも、嬉しかった。お嫁さんに来てくれたら幸せだと思った。けど……」
苦しそうな双眸が必死に笑おうとしていた。
「今の俺では、咲良ちゃんを幸せにできないのも、事実だ」
その頬を涙が一滴落ちた。
東條さんは、どれだけ気持ちを押し殺して生きてきたんだろう。
それが、麗華さんに白い結婚を提案した理由。
深く息を吸った東條さんは、見つめ続けていたフロントガラスから視線をずらすと、悲しそうに笑って私を見た。
「結果的に隠すようなことをして、すまない。隠し事ばかりで信用なんて出来ないだろうけど、一つだけ信じて欲しいんだ」
薄暗い車内でもわかる東條さんの真剣な眼差しを見つめ返した。
「咲良ちゃんが好きな気持ちは、本当だ。お弁当を楽しみにしていたのも、部屋で咲良ちゃんがご飯を作ってくれたのも、嬉しかった。お嫁さんに来てくれたら幸せだと思った。けど……」
苦しそうな双眸が必死に笑おうとしていた。
「今の俺では、咲良ちゃんを幸せにできないのも、事実だ」
その頬を涙が一滴落ちた。
東條さんは、どれだけ気持ちを押し殺して生きてきたんだろう。


