私は死亡者

地下通路を走り抜け、非常階段を駆け上がる。
影は階段の端を這うように追ってくる。

「沙耶、急いで!!」

「わかってる!!」

地上階に出た瞬間、私は息を切らして言う。

「沙耶……私の死は事故じゃない。
あれは、殺されたんだ……」

「知ってる。医師の話で確信したよ。
でも……誰が、なんのために?」

私は思い出す。

影が言った言葉。

“存在してはならない死”

“魂だけの美鈴”

“遼は気づいていた”

そして診断書に空欄のままの名前。