私は死亡者

画面を見ると——
私のページだけ、データが真っ白になっていた。

名前も年齢も、生死の欄も消えている。

《該当データ:存在しません》

沙耶が震える声で言った。

「消されてる……。
美鈴の存在そのものが……データから、世界から……」

私は理解した。

“死亡者”とは、死んだ人間ではなく——
“存在を消される者”のことだと。

そして影は、最後にゆっくりと手を伸ばした。

「美鈴。
お前を“元の場所”へ戻しに来た」

冷たい夜気が、背後から押し寄せてくる。

逃げられない。
逃げてはいけない。

だが同時に、私は本能で悟っていた。

——戻れば、もう二度と“生者の記憶”には戻れない。