私は死亡者

影の男が去ったあと、私はしばらく震えが止まらなかった。
沙耶は温かい飲み物を淹れてくれたが、手の感覚が戻らない。

そして、どうしても気になっていることを口にした。

「……遼は? 遼はどうしてるの?」

沙耶は一瞬、言葉に詰まり、やがて重い口を開いた。

「遼くんは……あなたが死んだあとから、変わったの。
会社を休んで、ずっと行方を追ってて……
“美鈴は死んでいない。殺されたんじゃない”って、誰にも言わなくなって」