私は死亡者

胸元に、縦に走る深い切創。
だが、ほとんど塞がってしまっている。

「……これが、私の死因?」

掠れた声が鏡の中で跳ね返る。

私は死んだ。
沙耶が見た私も、遼が抱きしめた私も、確かに“死体”だった。

なのに、私はここにいる。

鏡を見つめていると、背後に立った沙耶が言った。

「だから言ったでしょ……美鈴は、確かに死んだの。
なのに、遺体が病院から消えて……
そして今、目の前にいる」