契約結婚した公爵閣下は、別邸に何かを隠している

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「アラン様、肩掛けをありがとうございます」

 夕食の席で、私は向かいに座るアラン様を見つめそっと肩掛けを撫でた。

「気に入っていただけましたか?」

「ええ、もちろん。肌触りも大変良いのです。とても気に入りました」

「貴方の肌が荒れてはいけないと……その、当然のことです。とても似合っている。貴方の美しさに比べれば、そのレース編みなど見劣りしますが」

「何をおっしゃいます。なんと見事で繊細なレース編みかと、私は感嘆したのですよ」

「そうですか。であれば、また贈りましょう」

 アラン様はどこかきまりが悪そうに瞳を揺らし、それから目を細め、顔を綻ばせた。