夢幻に消えた君と、存在しない約束の続きを。



一週間。その月日は、永遠のように長く、瞬きのように儚かった。


佑介くんの容体は、目に見えて悪化していった。
頬はこけ、腕には無数の管が繋がれ、彼はただの生ける肉体に近づいていく。

私は彼のベッドの傍ら、いつもの特等席に座り、彼の手を握り続けていた。握っている「つもり」だった。


「⋯⋯あ」


ふと、自分の掌を見つめて、私は凍りついた。

青い街灯の光に透かした私の手が、昨日よりもずっと薄くなっている。

指先の向こう側に、ベッドのシーツのシワがはっきりと見えていた。


私の輪郭が、絶え間なく細かく震えている。

それは、佑介くんの脳が、私というイメージを維持できなくなっている証拠だ。


彼の中で、私を形作る力が尽きかけている。


彼が生きられるのなら、私が消えることは惜しくない。
でも、私が消える時、それはきっと佑介くんとの約束を破ってしまうことになる。



「嫌だよ⋯⋯まだ、何も返せてないのに。もっと話したいことが、たくさんあるのに」


私は彼の手首に耳を当てた。
ドクン、ドクンと、微かな鼓動が聞こえる。

その音が、まるでタイムリミットのように聞こえて、私は必死に耳を塞いだ。