夢幻に消えた君と、存在しない約束の続きを。



一階の服飾雑貨売り場は、プレゼントを探す人々でごった返していた。
色とりどりの手袋や帽子が並ぶ中、一つの棚の前で僕の足が止まった。


「⋯⋯これ」


そこにあったのは、落ち着いたネイビーと淡いブルーが重なり合った、美しいチェック柄のマフラーだった。


派手すぎず、けれどどこか気品があって、今の蒼にぴったりだと思った。
幸一もプレゼントはマフラーがおすすめと言っていたし。


「佑介くん、どうしたの?」


「似合いそうだなって。蒼って、蒼色の蒼だろ?だから、この色がいい」


棚に添えられたプライスカードには『5,800円』と記されている。
僕の全財産からすれば、決して安くない買い物だ。


2番目のきれいなマフラーを手に取る。

蒼は「えっ、佑介くん!? いいよ、そんな⋯⋯」と慌てていたけれど、僕は彼女の手を優しく握り直して、初めて自分の意志で、プレゼントを手に取る決意をした。