僕はベッドの脇に置かれたスマートフォンを手に取る。
通学カバンとともに、持ち物はここに置かれているみたいだった。
通知欄には、二人からのメッセージが止まることなく届いていた。
『おい佑介! 先生なんて言ってた!?』
『勝手に追い出されて納得いかねーんだけど。終わったら速攻LINEしろよ』
『佑介、あまり一人で抱え込むなよ。僕たちにできることがあれば何でも言ってくれ』
二人の真っ直ぐな言葉が、今の僕には眩しすぎて直視できない。
小林先生に言われた「面会謝絶」の事実をどう伝えればいいのか、指が震えて文字がうまく打てなかった。
本当のことを言えば、彼らはきっと無理にでもここへ来ようとするだろう。
幸一なら病院の壁をよじ登ってでも窓から顔を出しそうだ。
けれど、先生の言葉が脳裏をよぎる。
僕が彼らを大切に思えば思うほど、僕の脳は現実と夢の境界を失い、壊れていく。
そんなの、残酷すぎる。
僕は何度も文字を打っては消し、打っては消しを繰り返した。
画面の明かりが、暗い病室で僕の顔を青白く照らしている。
これからつく嘘が、二人の優しさを裏切ることになるのだと分かっていても、僕はスマートフォンを握りしめるしかなかった。
