夢幻に消えた君と、存在しない約束の続きを。



並木道の外れ、少し小高い丘の上に、そのカフェはあった。
白壁に大きなガラス窓。

テラス席からは、先ほどまでいた桜並木が一望できる。


もし、いなかったら。
もし、人違いだったら。


不安と期待を孕んだ春の風が吹き抜け、カラン、とドアが開く音がする。
激しく打つ鼓動を鎮めようとして、胸のあたりをぎゅっと握る。


ずっと、足りない何かを探し、奪われた温もりを求めていた。



視線が交差した瞬間、止まっていた時間が、猛烈な勢いで動き出す。
溢れ出す涙とともに、心の檻に閉じ込めていた叫びが、今、光の中に解き放たれていく。


世界は一瞬で鮮やかな色彩を取り戻す。



やっと。
大好きな貴方に、辿り着いた。