甘々王子とやらかしヒーロー



その後も

彩芽:「あれ誰だろ? 一年生?」

日和のクラスを覗いている五十嵐

日和:「あ、彼は和泉くんの後輩で、私を偵察しにきてるんだと思う」

彩芽:「? なんで?」

日和:「彼ね、和泉くんに告白したんだって。で、断る理由に私がしばらく和泉くんの彼女になってるの」

彩芽:「へー、おもしろいことになってるね」

日和:「和泉くんに憧れてるだけあって、まっすぐでいい子そうなんだ」

彩芽:「日和ちゃん! 小林くんの彼女役なら後輩くんをライバル視しないと」

日和:「アハハハ…そうだね。ところで彩芽ちゃんは塚本くんとどう?」

彩芽:「うん、おかげさまでうまくいってるよ。水本くんにも何かお礼しなくちゃ」

日和:「じゃあアレーズに塚本くんと一緒に来てよ。祐生くん、塚本くんを騙したままになってるの気にしてたよ」

彩芽:「そっか、うんじゃあそうしようかな。日和ちゃんもほんとありがとね」

日和:「私は何もしてないよ…そうだ、いつにしようか」

そう言ってスマホを取り出す日和
日和のスマホのストラップを見て

彩芽:「日和ちゃんはやっぱりまだ王子様を待ってるの?」

日和:「…うん」

彩芽:「私は…ごめんね、日和ちゃんにはもう泣いてほしくないからあえて言うけど、黙っていなくなってしまった人よりこのまま小林くんと付き合った方が、日和ちゃん幸せになれると思う」

日和:「ハハ…和泉くんはフリだってば…」

ド直球な彩芽の言葉に、笑って答えようとしたが気持ちが追い付かず顔を曇らせる日和

彩芽:「ごめんね、キツイこと言っちゃって」

日和:「ううん、ほんとにそうなのかもしれない。待ってても無駄なのかも…でもメッセージにあった必ず迎えにくるって言葉を信じて待ちたいの」

彩芽:「そっか、そうだよね、ごめんね日和ちゃん。でもね、これだけは覚えてて、その言葉に縛られるんじゃなくて辛かったら離れてもいいんだよ。ねっ」

日和:「うん、ありがとう彩芽ちゃん」

二人がこんな話をしてるとも知らず、手を握り合って涙してる様子を不思議に思う五十嵐だった