甘々王子とやらかしヒーロー



廊下でばったり美咲と会った祐生は

祐生:「なあ中本、桐谷なんかあった?」

美咲:「なんで?」

祐生:「なんか桐谷の様子が変だから」

美咲:水本くん…この人はたぶん日和の力になってくれる人
言ってもいいのかな……でも

祐生:「何かあるなら教えてくれ!」

美咲:「…っ、実は………」


ドーン!!!!!
壁を思いきり叩く祐生

祐生:あのやろーーー!!

あまりの勢いに驚いた美咲はしりもちをついてしまう
爆音と尋常じゃない祐生の怒りの顔で、周りの人たちは固まってしまっていた

祐生:「…わりー」

そう言って祐生は美咲に手を貸し起こしてあげる

祐生:「中本、もしまたなんかあったらオレにも教えてくれ」

祐生はその顔のまま、ドスドスと廊下を歩いて行った
遠巻きにみんなから距離をとられながら…

修一:「美咲!」

美咲:「修」

祐生の後ろ姿と壁の凹みを見て

修一:「あいつになんかされたのか?」

美咲:「違う違う、王子のこと話したら突然キレちゃって…」

修一:「あいつっ…美咲の前で…美咲、あんな凶暴なやつ近づいたらダメだからな!」

美咲:「何言ってんのよ、修」

美咲の手と自分の手を絡めながらブツブツ文句を言う修一

美咲:フフっ…ヤキモチ焼いてる……




ホームルーム

祐生:好きな子泣かせたらダメなんじゃなかったのかよ!!!

頭から煙を出しているみたいに怒りでプルプル震えている祐生を、先生をはじめクラス中の人が怯えながら見ていた

日和:祐生くん?!





翌日 放課後

祐生:「桐谷、中本、今帰りか?」

美咲:「そうだよ」

祐生:「このあと時間ある? よかったらアレーズ来ないか? 新作のケーキ出したんだ」

美咲:「新作?! 食べたい!!」

日和:「美咲、ダイエットするんじゃ…」

美咲:「まあまあ、それは明日からでもいいじゃない。修と和泉も部活で忙しくなっちゃったし、今日は二人でおいしいケーキ食べようよ」

日和:「うーん、そうだね」

祐生:「よし」





日和:「んーーーっ、やっぱり陽次さんのケーキおいしい!!」

美咲:「ほんと最高!!」

陽次:「嬉しいね、こんな美味しそうに食べてくれたら、新作 頑張った甲斐があったな」

祐生:「だんだん口コミで広がって、ちょっと客増えてきたしな」

日和:「だって本当においしいですから…広めたくなる気持ちわかるかも」

陽次は祐生と目を合わせ

陽次:「…日和ちゃん、もしよかったらここでバイトしない?」

日和:「え?!」

陽次:「ほら、この時間 祐生と二人だから…こんな怖い顔の二人だけより、日和ちゃんみたいな女の子入ってくれると店も明るくなるし」

美咲:「いいじゃん日和、こんなステキなお店でバイトできるなんて。それに余ったケーキがタダで食べられるかもよ」

陽次:「おうおう、いくらでも」

日和:「でも私、緊張すると言葉が……」

美咲:「やってれば慣れてくるって」

日和:「でもお店に迷惑かけたら…」

祐生:「そこはオレと陽ちゃんでフォローするから心配しなくていい」

陽次:「日和ちゃんは笑顔を見せてくれたらいいんだよ」

みんなは温かい目で日和を見ていた

美咲:陽次さんも水本くんも、きっと日和を元気づけようと言ってくれてるんだろうな