体育館裏
舞香:「何? 私には何があったか話してくれるの?」
和泉:「…ごめん」
舞香に頭を下げる和泉
舞香:「今日は謝ってばかりだね、いいよ無理に言わなくても」
和泉の髪に舞香が触れようとした時
和泉:「ごめん、オレもう舞香とは付き合えない」
舞香:え?!!
和泉:「日和の…日和のそばにいてやりたいんだ」
舞香:「…っ、だって、桐谷さんには早川先輩がいるでしょ」
和泉:「……あいつ、いなくなった」
舞香:「え?」
和泉:「あいつ日和の前から、いなくなったんだ!」
舞香:「そ、そうなんだ…じゃ和泉が告白して付き合うの?」
和泉:「いや、それはない! ただオレは友達としてそばにいてやりたい」
舞香:「だったら私と別れなくても…」
和泉:「ごめん、今まで通りじゃダメなんだ。決めたんだ、オレのすべてをかけて日和を守る」
舞香:……っ
和泉の言葉にショックを受けながらも、必死で平静を保とうとする舞香
舞香:「そっか…まっすぐだな和泉は…そんなとこも好きだったんだけどな」
和泉:「ごめん」
頭を上げようとしない和泉
舞香の瞳からスーっと涙がこぼれた
舞香:「あっ、ごめん片付け手伝ってあげられないや。和泉…今までありがと楽しかっ…」
たまらず走り出した舞香の靴の音が鳴り響く
和泉はその音が聞こえなくなるまで頭を下げていた
涙をこらえながら黙々とモップをかける和泉
和泉:泣くな! 傷ついたのは舞香だ! オレのわがままで振り回して、オレが泣く資格なんかないんだ
日和の家
ピンポーン
日和母:「あら和泉くん」
和泉:「こんにちは、日和帰ってますか?」
日和母:「あ、うん、昨日急に美咲ちゃんとこ泊まってさっき帰ってきたとこなの。上にいるわよ」
和泉:「じゃあお邪魔します」
コンコン
和泉:「日和入るぞ」
日和:「和泉くん」
和泉:「肉まん買ってきた、一緒に食おうぜ」
日和:あれ…和泉くん目が赤い
日和:「なんかあった?」
和泉:「!! なんだよ、なんもあるわけないだろっ」
日和:「だって目が赤いよ」
和泉:「いやこれは…さっきゴミが入って……泣いてない、オレは泣いてないからなっ」
日和:「……フフっ…」
日和:わかりやすい……自分だっていろいろあるのに、こうやって来てくれて
日和:「ありがとう、肉まんいただくね」
手を合わせる日和
和泉:「おう」
ブーブー…
その時日和のスマホが鳴る
慌ててスマホを見る日和
がっかりした顔でスマホを置く
和泉:「なあ日和、あいつは日和を裏切るヤツじゃないだろ? きっと何か連絡もできない理由があんだよ。あいつが帰って来た時、日和がそんな顔してたらきっと自分を責めるんじゃないか? だから元気に笑って待っててやれ」
「僕は何があっても昔も今もこれからも日和が大好きだよ。絶対にこれだけは変わらない、覚えておいてね」
日和:そうだ、樹くんのあの言葉…私が信じないでどうするの
日和:「ありがとう和泉くん、私…信じて待つよ」
和泉:「おう、ほら肉まん食え」
日和:「うん」
肉まんを頬張りながら、和泉の温かさで微笑む日和
日和:おいしい…
そんな日和を見つめる和泉
和泉:あいつが帰ってくるまで日和はオレが守る! だからそうやって笑ってろ
日和:そうだよ、笑って待ってればいいんだ
樹くんは絶対帰ってくるんだから
