甘々王子とやらかしヒーロー


空き教室に逃げ込んだ日和

祐生:「桐谷…ごめ…」

日和:「嫌っ、来ないで」

追ってきた和泉は、日和に近づこうとする祐生を捕まえた

樹:「日和?」

和泉:「こいつ昨日、日和に抱きついてキスしたんだっ!!」

樹:「なっ…ウソだろ?」

和泉:「オレ見たんだ、日和泣かせて…だからこいつ殴って…」

樹:「小林、離れろ!」

和泉が手を離した瞬間、樹は祐生を殴りつけた
遅れて空き教室にやってきた美咲は、その異様な光景を見て慌ててドアを閉める

黙々と怒りをあらわにし殴り続ける樹

日和:え!! 樹くん? ま、待って…

日和:「だめーー 樹くん人を殴ったりなんかしちゃだめーっ」

日和は樹にしがみつき必死に止める

樹:「だって日和、こいつまた日和を泣かせた…二度目はないって言ったよな! 祐生!!」

祐生:……っ

日和:「泣いたけど…泣いたけどキスはされてないから…だから」

ぎゅっと樹を抱きしめる日和

樹:「くっ……」

振り上げていた拳をゆっくり下す樹

和泉:「ホントか日和、ホントにキスされてないのか?」

日和:「…直前に…突き離したから…」

樹:「おい祐生! なんで日和にそんなことしたんだよ!」

祐生:「…ごめん、桐谷ほんとに泣かせるつもりなんかなくて……昨日オレいろいろあってどうかしてた。だからってあんなこと…ほんとうにすまない」

倒れ込んだまま頭を下げる祐生

祐生:「ただ、桐谷を好きだと言った気持ちはほんとだから」

日和の目をまっすぐ見て言い放った

樹:「おいっ」

和泉:こいつ…こんなにはっきりと……

日和:「……祐生くん、ごめん…あの私は…私は樹くんが好きだから……樹くんじゃないとダメなの」

樹:「日和」

祐生:…わかってたさ、そんなの……

樹:「祐生、僕も日和しか考えられない。だからもう邪魔しないでくれ、三度目は本気で潰す! 行こ日和」

日和は入り口にいた美咲にごめんと手を合わせ、樹に連れられ教室を出た

和泉:……なんだよっ、オレ告ってもないのに振られた気分だ
なんなんだよ、くそっ

悔しそうな顔の和泉を見た美咲は

美咲:「和泉、部活そろそろ行かないとやばいんじゃない?」

和泉:「お、そ、そうだな。じゃ行くわ」

美咲:「おーがんばれ」

ガラッ

美咲:「大丈夫? 保健室行った方がいいんじゃない?」

そう言って濡らしたハンカチを祐生に手渡した

祐生:「あっいや、大丈夫だ…わりーな」

ハンカチで殴られたところを押える祐生

美咲:「無理やりキスしようとしたのはいただけないけど…さっきの告白はかっこよかったよ」

祐生:「そうか……言えてよかったよ、ちゃんと振ってくれて…なんだかスッキリしたな」

そう言って微笑む祐生

美咲:和泉も一度ちゃんと告白して振られたら、いいかげん諦めつくんじゃないかなぁ