甘々王子とやらかしヒーロー


先輩との待ち合わせでちょうど駅にいた和泉は、その光景を遠目から目撃し衝撃のあまり立ち尽くしていた

和泉:日和?!

我に返った祐生が

祐生:「桐谷…ご…」

祐生が謝る前に日和は走り出した

ダッダッダッ……

和泉:「おまえーーっ、日和に何してんだーーーっ!!!」

走ってきた和泉は祐生に殴りかかった
ボコッボコッ……

祐生:……っ

無抵抗のまま和泉に殴られ続ける祐生

和泉:「うぉーーーーっ……」

辺りに人だかりができて騒ぎになりかけた頃

先輩:「! 小林、やめろっ」

駅にやってきたバスケ部の先輩は和泉の腕を掴んだ
それでも泣きながら祐生を殴ろうとする和泉

先輩:「試合に出られなくなってもいいのか!」

そのひと言で和泉の手がピタッと止まる
先輩は祐生から和泉を引きはがし引っ張ってその場を去った
残された祐生を心配して周りから声をかけられる中

祐生:オレは…オレは……また桐谷を泣かせてしまったのか……

祐生は自分への怒りと激しい後悔に襲われていた




先輩:「小林、何があったんだ?」

黙って口を開こうとしない和泉

先輩:「わかってると思うけど、俺たちはスポーツマンだ。喧嘩なんかしたら、おまえ一人の問題じゃなくなるんだぞ!」

和泉:「……ッス」

先輩:「はあー、もう二度とすんなよ! このことは誰にも言わないから、今日はもう帰って家で反省しろ」





家に帰ったきてベッドに横たわる和泉

和泉:日和泣いてたな……くそっ、アイツぜってー許さねー
日和に電話……うっ、なんて言っていいかわかんねー 
それにオレに見られてたなんて知らないだろうし…
きっと今頃アイツのそばで慰めてもらってるか…




バタン

母:「おかえり日和、珠子さん大丈夫だったの?」

日和:「あ、うん」

急いで2階に上がろうとする日和

母:「きんぴらはどうするの? 樹くんとこ持ってかないの?」

日和:「……今日はもういい、お父さんにあげて」

慌てて自分の部屋に入っていく日和

母:?

不思議そうに首をかしげる母

部屋に入るなりしゃがみ込んだ

日和:……なんで…なんであんなこと…
どうしよう…樹くんになんて言えばいい? 
…ううん、言えないよ






東屋家

陽次:「祐生! その顔どうしたんだ?!!」

和泉に殴られパンパンに腫れた祐生の顔を見て、驚く陽次

祐生:「……言いたくない」

陽次:アニキの嫁に追い出されて、イラついて喧嘩でもしたか…

陽次:「日和ちゃん、その顔見てビックリしただろ?」

祐生:「…桐谷と別れてからやられた」

陽次:「そうなのか、いやー 今日は日和ちゃんに迷惑かけちゃったな」

祐生:「! そうだよ、なんで桐谷呼んだんだよ!」

陽次:「だっておまえ連絡取れねーし、あの嫁にひどいこと言われたんだろ」

祐生:! そうだった、すっかり忘れてた…

陽次:「まあ、その顔おふくろに見られなくてよかったわ。心配させるだけだし…とりあえずこれで冷やしとけ」

陽次は保冷剤を手渡した

祐生:「サンキュ…」

祐生:オレはホントに…なにやってんだ