翌日
キッチンで日和が料理をしている
父:「今日は何を作ってるんだ?」
日和:「きんぴらごぼうだよ、お父さん味見してみて?」
炒めたきんぴらごぼうをひと口小皿に入れ父に渡す日和
父:「ん、いい味付けだ。おいしいよ」
日和:「よかったー 上手にできたら樹くんに持っていこうと思ってたから」
父:「…そうか」
少し寂しそうな父だった
ブーブー……
母:「日和、電話鳴ってるわよ」
日和:「あ、珠子さんだ。もしもし珠子さん」
陽次:「あ、オレ陽次」
日和:「よ、陽次さん!?」
陽次:「ごめんな、休みの日に。実はお袋がこけて腰を痛めたみたいで今病院に来てんだけど」
日和:「え?!! ど、どこですか? すぐ行きます」
陽次:「いや、こっちは今検査してて詳しい結果でたら知らせるけど……祐生を迎えに駅まで行ってくれないか?」
日和:「祐生くんですか?」
陽次:「ああ、今日あいつアニキんとこ行ってて」
日和:そっか翼くんの誕生日…
陽次:「どうもアニキの嫁に追い帰されたらしいんだ」
日和:「え?!」
陽次:「アニキが玄関に置いてあったプレゼントみつけて嫁を問い詰めたら、祐生来たけど翼にも会わせず追い帰したって」
日和:そんな…
陽次:「前からあの嫁と折り合い悪くてな、だから祐生こっちきたんだけど。電話もつながらねーし」
日和:前に珠子さんが言ってた…
陽次:「それでちょっと祐生が心配で、オレもここ離れらんねーし」
日和:「わかりました、駅ですね。行ってみます」
陽次:「ごめんな」
日和:「会えたら連絡しますね」
陽次:「頼む、こっちも結果わかったら連絡する」
駅へ走る日和
電車の中
祐生がボーっと窓の外を眺めながら思い出していた
ピンポーン
嫁:「はい」
モニターに祐生の顔
祐生父:「誰?」
嫁:「隣の奥さん、ちょっと外で話してくる」
嫁は玄関を出て祐生の手を引っ張った
嫁:「何しに来たの?」
祐生:「翼に誕生日プレゼント届けに」
嫁:「…うちにはね、もうちょっとしたら新しい家族が増えるの」
そう言ってお腹をさする嫁
驚く祐生
嫁:「翼はお兄ちゃんになるの、だからうちにお兄ちゃんは二人いらない。もう私たち家族の中に入ってこないで!」
祐生:……っ
祐生はうろたえながらも必死に自分を保ち
祐生:「わかった、もう来ないから。こればーちゃんからって翼に渡してやって」
プレゼントの袋を嫁に押し付けると、祐生は走って帰って行った
祐生:クソッ
電車の中で窓に拳を押し当てる祐生
