響子:「樹、すごいよ!! 東京が全部見渡せちゃう」
響子は樹と向田の三人で東京観光に来ていた
樹:「響子は高いところ怖くないの?」
響子:「ちょっと怖いけど、樹が付いていてくれるから」
樹:「そう、あっ足元気を付けて」
そう言って手を差し出す樹
チラチラと二人は後ろから付いてくる向田を気にしていた
樹:「じゃあ次はもっと日本を感じてもらおうか」
樹は響子の腰に手を回しエスコートする
響子:「キャー これ何? 樹」
樹:「これは人力車といって、日本で昔 車の代わりに使われていた乗り物なんだよ」
響子:「キャーキャー 視線が高いからおもしろいわね」
樹:「僕も初めて乗ったよ」
響子:「楽しい!! 私、日本が好きになりそうよ」
樹:「それはよかった」
二人は人力車に乗り、楽しいひとときを過ごしていた。その後ろから一人で人力車に乗って、二人の様子をうかがっている向田
響子:「次はお店をいろいろ見たいわ」
樹:「いいよ、さあ行こう」
手をつなぎ人ごみに入っていく二人
響子:「あれは何?」
樹:「揚げ饅頭だよ」
響子:「食べてみたい」
樹:「買ってくるからここで待ってて」
響子が一人で待ちながら物珍しそうにキョロキョロしていると
男:「お姉ちゃん迷子?」
数人の男に囲まれていた
男:「俺たちが案内してあげるよ」
響子:ヤダ、気持ち悪い…
一人の男が響子の手を掴んだ
響子:「ちょっと! 離しなさいよ!!」
男:「気の強い女だな、まあそれも悪くない」
強引に引っ張って行こうとしたその時
向田:「手を離しなさい」
男の手を向田が掴んでいた。グッと力を入れ男の手をひねろうとする向田
響子はつかさず向田の後ろに隠れる
男:「迷子を案内してやろうとしてただけだよっ、チッ」
そう言い残して男たちははけていった
向田:「大丈夫ですか? 響子さん」
響子:「…ええ」
かすかに震える響子を見て、自分のコートを羽織らせ路地に誘導する向田
向田:「樹さんはどうしましたか?」
響子:「あ…揚げ饅頭を買いにいってくれてて」
樹に電話する向田
向田:「…出ませんね、この人ごみで気付かないのかもしれません。まあすぐに折り返しあるでしょう。ここで待ってましょう」
響子:「あの…助けていただいてありがとうございました」
向田:「いえ、それが仕事ですから」
響子:仕事か…
向田:「樹さんとはどうですか?」
響子:「あ…ええ…まあ」
プルルル…
向田:「樹さんです。はい、今どこですか?」
響子:あいかわらずの仕事人間ね、向田さん。見てなさいよ、今にそんな顔ばかりできなくしてあげるから
