ホテル レストラン
樹:向田さんから会長に取り次いでもらおうと連絡したのに、どうして響子と二人きり?!
響子:「嬉しいよ、樹と二人で食事なんて」
樹:「響子、キミはこの婚約を認めてるの?」
響子:「いきなりそれ? 今日はクリスマスだし、向田さんに頼んでせっかく二人で食事でもと思ったのに」
樹:「僕には大切な恋人がいる、だからキミとは婚約できない」
響子:「もう、だからぁ…事を急ぎ過ぎるとろくなことないよ」
響子:大切な恋人ね……なおさら一人だけ幸せになるなんて
樹:「だけど僕にはゆっくりしている時間は…」
響子:「とりあえずお食事しながらゆっくりお話しましょう」
樹:この伏見響子とは会社関係のパーティーで何度か顔を合わせていた
同じ日本人で1コ下と年も近かったので話もよくしたが、いわゆる恋愛には発展しなかった
僕も日和を忘れられなかったし、彼女も誰か気になる人がいる気がしていた
響子:「あなたの恋人って昨日の彼女よね?」
樹:「そうだよ」
響子:「かわいらしくていかにも守ってもらうって感じで、私とは正反対な子よね」
樹:「響子を守りたいって言う人もいるんじゃない?」
響子:「そんな人…ああ、向田さんは日本まで一緒に付いてきて守ってくれてるわね」
樹:「あの人は…どうせ祖父に頼まれたんだよ。あの人会長には従順だからね。そうじゃなくて、響子を一人の女性として守ってくれる人、今いないの?」
響子:「いないわよ、だからあなたとの婚約受けたんだから」
樹:「僕は受けた覚えはない。会長を説得してきちんと断るから」
響子:「会長は納得するかしら、今回のプロジェクトはうちの会社が大きく関わってるって聞いたわよ。うちの父の機嫌を損ねるようなことできるかしら」
樹:「……っ、だったらキミからうまく断ってくれ」
響子:「いやよ、私はあなたと結婚してもいいと思ってるもの」
さりげなく目をそらす響子
樹:「ふーん、したいんじゃないんだね」
響子:……
響子:「ちょっとー 揚げ足とらないでよ。もちろん結婚し…した…した……っ、」
樹:「ハハハ…響子はやっぱりおもしろい人だね」
響子:……
その日の夜、日和に樹からラインメッセージが届いた
樹ライン:不安にさせてごめん
少し時間がかかるかもしれないけど必ず解決するから信じて待っていてほしい
大好きだよ
日和:樹くん…信じてるよ、信じるから早く会いにきて
日和は布団にもぐりながら自分に言い聞かせていた
