翌朝、1年の靴箱のところで日和を見かけた祐生
祐生:先輩にはああ言われたけど、挨拶くらいしてもいいよな
祐生:「桐谷、おはよう」
ビクっとして振り返る日和
日和:「お、おは…よう」
祐生は日和に微笑むと自分の教室に向かった
美咲:「日和、今のなに?」
日和:「あ、おはよう美咲、修一くん。昨日、東…祐生くんに誤ってもらって一応 和解したというか…」
美咲:「祐生くん?」
日和:「あ、東屋くん苗字変わったらしくて、樹くんがそう呼んでて」
修一:「日和、顔こわばってる。和解したからって無理しなくていいんだぞ」
美咲:「そうだよ、あんな見るからに怖そうな人と仲良くすることないんだから」
日和:仲良くは…まだちょっと怖いし
でも知らん顔っていうのもなんだか…
まあ、そんなに関わることもないよね…
休日 電車の中
日和:お母さんに頼まれてS町まで行ったついでに、珠子さんが好きそうな和菓子買っちゃった
あの後電話で誤っただけだし、きちんとお詫びをしたい
ただお宅には彼がいるかもとなかなか勇気がでなかったけど…よし、
と思ったのに…
駅降りたらこの雨、向こうは晴れてたのにな
雨を見ながらどうしようかと考えていると
祐生:「桐谷?」
日和: 祐生くん? そうだった、最寄り駅同じだった…
祐生:「もしかして傘持ってないのか?」
頷く日和
祐生:「帰るなら入るか?」
日和:え?! 祐生くんと相合傘?!
いや…でも…せっかく声かけてくれたし、断ったらまだ気にしてるって思われるんじゃ…んーっ
日和:「…あ、あの私珠子さんに会いに行こうと思ってて」
祐生:「うち? わかった、じゃ」
祐生は折り畳み傘を広げて日和が濡れないように傘を傾けた
日和:うっ、緊張する。近いし…
祐生:「ありがとう」
日和:え?
祐生:「ばーちゃんと仲良くしてくれて」
日和:「あ…そんな、こちらこそだよ」
雨の中無言で歩く二人
日和:き、気まずい…会話が…あっ、祐生くんの肩濡れてる
私が濡れないように…
ずっと怖い人って思ってたけど、本当は優しい人なのかもしれない
祐生:「じゃここで」
日和:「あ、ありがとう」
祐生:「オレはバイトに行くから、ゆっくりしてって。あとこれ帰りに使って」
日和:え?!
祐生は日和に傘を手渡すと、雨の中走って行ってしまった
日和:……
珠子:「日和ちゃん、また来てくれて嬉しいわ」
日和:「珠子さん、この前は突然帰ってしまってごめんなさい」
珠子:「あらやだ、電話で何度も誤ってくれたじゃない」
日和:「いえでも…あとこれ、美味しそうな和菓子を見つけたので」
珠子:「まあありがとう、S町の有名な和菓子屋さんのだわ。雨の中わざわざ買いに行ってくれたの?」
日和:「あ、いえ、用事で出てて…こっちの駅に着いたら雨降ってて、そしたら偶然 祐生くんに会ってここまで傘に入れてくれたんです」
珠子:「二人は仲直りできたのよね?」
日和:「はい」
珠子:「そう、よかったわ。日和ちゃん、ちょっとあの子の話をしてもいいかしら」
