甘々王子とやらかしヒーロー


昼休憩
いつメンでお昼を食べていると

女子:「ねえあの子、借り物競争の…」

日和を見かけ噂をしていく女子たち
ムスッと顔に出ている和泉

日和:「私ちょっとジュース買ってくる」

美咲:「一緒に行こうか?」

日和:「すぐそこだし、ゆっくりしてて」



自販機の前、ジュースを買おうとする日和に一人の男が近づいてきた

水本 祐生(みずもと ゆうせい):「桐谷」

名前を呼ばれ振り返る日和

日和:!!!

顔色が変わり、震えながら後ずさりする日和
じりじり近づいてくる祐生

祐生:「久しぶりだな」

日和:…ど、どうしてこの人が…

祐生:「オレのこと覚えてるか?」

日和:覚えてる…覚えてるよ

祐生:「そう怖がんなよ、何もしねーよ」

日和:なんでここにいるの?

祐生:「ちょっとおまえと話がしたいだけなんだ」

声も出ず震えながら身動きがとれない日和

和泉:「日和!」

追いかけてきた和泉は怯える日和を見て

和泉:「おまえ日和に何したんだよ!」

祐生に掴みかかる

祐生:「おい、何もしてねーよ。久しぶりに会ったから挨拶してただけだ」

日和を見ると震えながらもうんうんと頷いていた

和泉:「フン!」

と、手を離す和泉

和泉:「日和を怖がらせるんじゃねーよ!」

祐生:「桐谷、邪魔が入ったからまた今度話そう」

そう言い残して立ち去る祐生

日和:また今度って…

和泉:「日和大丈夫か? ホントに何もされてないか?」

日和:「うん…ありがとう」

和泉:「アイツ誰なんだ?」

日和:「…あの人…小学校の時の同級生で…昔ちょっといじめられてて…」

和泉:「は?!」

日和:「でも、樹くんが助けてくれたから…それにすぐ転校してったからもう会うことないと思ってたのに…」

和泉:「へ…へー」

樹の名前が出て動揺している和泉

和泉:「日和、もしまたなんかあったら一番にオレに言えよ。絶対守ってやっから」

日和:「うん、ありがとう和泉くん」




体育祭終盤、全学年の同じクラスの選手がバトンを繋ぐ、クラス対抗リレーが始まろうとしていた

3年男子:「小林、アンカーの佐藤がケガして走れなくなった。ほんとは3年がアンカーなんだけどおまえやってくれねーか?」

和泉:「オレなんかでいいんすか?」

3年男子:「おう、C組の中でおまえが一番早いから頼むよ」

和泉:「わかりました、任せてください」


そしてリレーが始まった

美咲:「ちょっと日和、アンカーの王子が並んでるとこに和泉もいるんだけど」

日和:「ほんとだ」

修一:「もしかして直接対決か?!」


樹:小林くんと走るのか…負けたくないな

和泉:こいつには絶対負けない!!

目をギラギラさせながら睨みつける和泉


樹のA組と和泉のC組は大差なくアンカーにバトンが渡った

美咲:「ちょっと王子もめっちゃ早くない?」

和泉がほんのわずかリードしているが、必死に食らいつく樹

日和:樹くん…

樹:くーっ…追いつけない…

じわじわ和泉は樹との距離を離していく
そして…そのままゴール

和泉:ハアハア……よしやったぞ

嬉しそうに日和を見ると、日和は樹と微笑みあっていた
1位でゴールしたのにも関わらず、悔しそうな顔をする和泉だった