Short Story of Brass band ~吹奏楽短編~


「お、光里ちゃんも来たし基礎合奏しちゃう?」

バスクラを首から下げた氷室さんが準備室から出てくるなり、望月さんがそう提案する。

「いいね。」

そう微笑む氷室さんには、先ほどの影は落ちていなかった。

俺の勘違いだったんだな、と小さな安堵とともにマウスピースをくわえて息を吹き込む。