未来からの鏡 5年先の未来が見えたのよ、鏡に映っているカレンダーは2029年だったのよ

【決意】

 着いた先は、もちろん私の自室だった。

 もちろんと言っているけど、もしかしたら家が取り壊されているのではと心配していたが、杞憂だったようだ。

 私と屈子は部屋のドアを開け、そろりそろりと階段を降り、家を出た。
 家族のものに見つかってしまうかもしれないからだ。


「見た感じ、科学の大きな進歩は無いのかな。」

 周りの建物を見ると、液晶モニターのような大きな看板があった。
 CMのようなものを流していて、時折現在の時間を表示するようだった。
 時間のほかに、年月日が表示されていた。


「2034年って表示されている。」
 日付を見ると、過去の日付より10日ぐらい前だった。

「こんなギリギリで、まだ私は生きているのかな。」

 自室からすぐに出てしまったので、よくわからない。
 もっと調べ物をしてから、出ていったほうが良かったかも。

 街を歩いていると、飲食店が目に入った。
 食券を現金で買ったり、スマホをかざして買ったりと、あまり現在と変わらない。

 次に電気屋。家電量販店と言うべきか。
 いろいろなものを電気を入れた状態で展示をしている。

 ネット通販におされて減ってきたかと思っていたが、現物を見てから買いたいと思う客もまだまだいるようで、結構繁盛していた。

 スーパーを見てみたが、これもあまり現在と変わらない。
 肉や野菜は直接店で買ったほうが良いのだろう。

 ちょうど公園が目に入ったので、そこのベンチに座った。
 一休みしていたら、
「とりあえず、私の家へ行ってみよう。」

 屈子が言った。

 夜なので、人通りも少なく、スムーズに屈子の家で行くことができた。

 未来の屈子の家も、現在の屈子の家とあまり変わらなかった。
 ただ、よく見るとちょっとさびれていたような気がした。

 ドアの鍵は閉まっているようだった。

「この鍵、使えるかな。」
 屈子はそう言いながら、鍵を入れ回してみた。

『ガチャ』

 どうやら屈子の家の鍵がそのまま使えたようだ。

 そろりそろりと静かに移動し、階段を上がって2階へ行く。
 ドアを開けると、未来の屈子と目が合った。
 未来の屈子は一瞬驚いたが、すぐに察し、話を聞く体制に入った。

 私達は未来の屈子から、いろいろと話を聞いた。

 要約すると、私の叔父が鏡の開発にかかわっていたらしく、未来の私も手伝っていたらしい。
 叔父は誰か、おそらくテロ組織に殺され、未来の私も狙われているらしい。
 鏡には過去への転送機能があり、未来の屈子が少し前に過去に転送した。

 過去の私でも、私自身であるのだから、未来の私の事も他の人よりは、よく知っているだろうと。

 未来の私も、鏡が過去へ転送されたことは後になってから知ったらしい。


 私達三人は、未来の私に会いに行こうと決意した。