復讐しようとベッドに立膝をついたまではよかったが、無表情な甘音に肩をはたかれ、バランスを崩した俺は背中からベッドに倒れこんでしまった。
あっけにとられ、戸惑う視線が天井を捕えていたのに……は?
一番見たくないキレイ顔のドアップが俺の視界全てを占拠して……は? はい?
なんで俺の上に四つんばいで覆いかぶさってきてんだよ、甘音。
俺はベッドで仰向け状態なんだぞ。
体は密着していないとはいえ、兄弟でこれはありえないだろう―が!
この状態は言わば、襲われシチュ。
俺の顔の両横には甘音の手のひらがあって、真上には顔があり、いっ意味が分かんねーし。
ベッドで襲われるシーンで仰向けのまま天井を見上げるのは、BLマンガでいうところの受けだよな。
勘違いをするな、BLマンガなんて興味ゼロ。
教室の隅でキャーキャー騒ぐ腐女子の会話が一匹狼の俺の耳に届くのは簡単で、必要のないBL知識を俺の脳に植え付けられたりするんだよ。
にしても俺が受け? 弱キャラ?
せめて攻めにしろ。
孤高の魔王様と俺を呼ぶ奴もいるんだからな。



