情報入手、早っ。
赤子の頃からこの家に潜むスパイかよ。
我が家に安楽の場はないってことか、あぁムカつく。
「だったらなに」
「やっぱりそうなんだ」
「可愛い双子の弟を慰めに来たわけ? んなことしねーよな。高校のみんなに慕われてる大人気の微笑み王子は、双子の弟だけには般若顔で怒りながら暴力を振るうヤバい奴だし。今もこうして俺を睨んでさ」
挑発交じりに微笑めば、甘音の怒りが増長することはお見通し。
「若葉は記憶を取り戻したんでしょ! なんで俺まで若葉に嫌われてるの? 意味が分からない!」
ほら、ご名答。
人生が終わりましたみたいな絶望顔で、怒り声を荒らげて。
つーか、俺の肩から両手を放してくれない?
頭が前後にグワングワンなるぐらい揺すられて、首筋が痛いんだけど。
慰謝料出せ、ついでにメンタルクリニック分も、若葉に嫌われたショックは過去一でデカいんだからな。
「聞く相手、間違ってるだろーが」と、掴まれていた腕を払う。
甘音はひるまない。
さらに睨みを利かし、顔の距離を詰めてきた。



