あの時だってそうだ。
昼休みの屋上でのこと。
『俺は学校のみんなに言いたいよ、若葉は俺の恋人ですって』
悲しそうに瞳を揺らす甘音くんに
『絶対にイヤ』
僕はきっぱりと断ったんだ。
でも今の僕は、あの時の僕とは違う。
紅亜くんに愛されている自信が、僕を大胆にしてくれる。
恥ずかしさが心を食い尽くしていると思いきや、ドキドキを味わいたい想いの方が強いんだ。
多少の人の目くらい気にしないでいられるようになったのは、間違いなく紅亜くんのおかげだね。
恋ってすごいな、マイナスな性格まで変えちゃうんだもん。
心が逃げ出しちゃうくらい恥ずかしくなったりもするけど、そのドキドキが快感に変わり、僕の心に幸福のシャワーを降らせてくれる。
紅亜くん、僕を恋人として選んでくれてありがとう。
僕に歩みを合わせてくれる紅亜くんを横目でちらり。
勝手に頬が緩みだしたのは、さりげない優しさで心がいっぱいになったから。
ストレートな言葉でほめたたえたら、また照れ吠えしちゃうんだろうな。



