夕暮れの帰り道、気まずさを噛みしめながら隣を見上げる。
表情を引き締め歩く紅亜くんの向こうには茜空が広がっていて、ワイルド美男子と夕焼けのコラボ写真をネットにあげたらバズりそうだなと現実逃避をしてみたり。
そろそろお疲れ様会のことを切り出さなきゃ。
家に着いちゃうその前に。
空と地面を交互に見る挙動不審男子に気づいた紅亜くんが、歩みを止めた。
「なに?」
鋭い視線で見下ろされ、焦りで足が固まる。
「並んで歩いてるみたいだなって……夕日に染まる魔王様と……」
うわっ、とんでもない失礼ワードが口から飛び出しちゃった。
悪口?と言いたげに鋭く光った紅亜くんの目。
慌てて首と両手を横振りする。
違うよ、最大級の誉め言葉だよ。
アニメの中の魔王様って、僕にはない威厳とダークフェロモンを兼ね備えているでしょ。
カッコいいな、男らしさをわけ与えてもらえないかなって。
ないものねだり発言だったとはいえ、魔王様じゃなくてせめて王子様にしておけばよかったかも。



