「本気で言ってる? 本当にやらなきゃダメ?」
「クラスのために勝ちたいならね」
「……じゃあ……甘音くんの言うとおりにするけど」
……本当に大丈夫かな。
心配で緊張がせりあがるなか、試合が再開。
ドリブル中の僕から簡単にボールを奪った紅亜くんがスピードドリブル、豪快にダンクシュートを決めた。
「紅亜くん、かっこよすぎなんだけど」
応援コーナーは泣きわめくような悲鳴が沸き起こっている。
どや顔で僕を見た紅亜くんだったけれど、表情筋が瞬間冷凍されてしまったらしい。
驚いたような怒っているような顔で固まっている。
それもそのはず――
「若葉、気にしなくていいよ。次頑張ろう」
片腕で僕を抱き寄せた甘音くんが、僕の頭を優しくなで始めたから。
身長差があるせいで、僕の頬が甘音くんの鎖骨あたりに沈み込んでいる。
同性といえど公衆の面前で片腕抱きをされるのは、さすがに恥ずかしい。
たくさんのギャラリーに見られているわけだし。



