「俺たちなら勝てるよ、頑張ろう!」
「オー!」
円陣を組んだ僕たちの中心で、3つの拳がぶつかり合った。
背番号入りの白いビブスのすそを握りしめコートへ。
応援に集まっているみんなからの視線にビビっている僕は、緊張で心臓が押しつぶされそうになっている。
わかってるよ、みんなが瞳に映しているのは僕じゃない、紅亜くんと甘音くんだってことくらい。
でもね、コートに6人しかいないってことは僕も見られちゃうってことで。
足を引っ張っるのが丸わかりってことで――
わっ、試合が始まっちゃった。
必死にボールを追いかけなきゃ。
「若葉!」
コートを縦に走りながら、甘音くんからのパスをキャッチ。
……したつもりになっていたのは手のひらだけという残念さ。
固いボールの感触は一切ない。
「悪いな」
悪っぽく微笑み、僕に通るはずだったボールを片手で奪ったのは紅亜くんだった。
そのまま3回ドリブルをして、華麗にジャンプ。
ボールは綺麗な弧を描き、見事ゴールに吸い込まれていく。



