俺の目は大好きな人を捕えて離さない。
カシャカシャカシャと、恋のシャッター音が祝福の鐘のように頭の中に響いている。
恥ずかしそうに肩を震わせている若葉の姿を瞳でたくさんスクショして、記憶のアルバムに永久保存しなきゃ。
やっと俺の顔に、いつもの余裕の笑みが戻ってきた。
「フフフ、子供のころから可愛すぎ」
「僕のことじゃないよね?」
不安げに見つめられた。
耳まで真っ赤に染める若葉が、かわいいことかわいいこと。
告白された嬉しさで舞い上がり、二人用の簡易テントから抜け出す。
「えっ?」と若葉が戸惑っているのは、俺が若葉の腕をむりやり引っ張ったからで間違いない。
太陽の光が、俺たちを祝福するように降り注いでくる。
「若葉こそ、俺がこんなことをしても嫌いにならないでね」
おっとりと微笑む俺に対し、「何をする気?」とおびえる若葉。
俺は若葉の体に手を絡ませると、ひょいっと持ち上げた。



