無理だ、俺は優雅な王子様になんてなれない。
「そういうんじゃなくて、初めて紅亜くんに言われたなって思って……ドジとかガキとかはよく言われたけど……」
俺ってマジで最低。
あまのじゃくなんだよ、好きな相手にこそ罵っちゃう的な。
精神年齢が低いガキは若葉じゃない、間違いなく俺だっつーの。
反省がこみあげ、ちょっとだけ口角を上げてみた。
いつも眉や目じりを吊り上げてばかりだから、優しい微笑みが出来上がってるといいんだけど。
恥ずかしさでおかしくなりそうな心臓に手を当て、うつむきながらたどたどしい言葉を漏らす。
「……かわいいよ……若葉は……」
「え?」
「……そう思ってた……子供のころから……」
「なっなに、急にどうしたの? 紅亜くん、顔真っ赤だよ」
「俺の顔は見るな!」
「今までだって、可愛い子にする態度じゃなかったと思うけど」
「あぁもう、勘違いされ続けてんのもムカつくから白状する」
「白状?」
「子供のころからお前が好きだった。甘音と笑いあう若葉の笑顔を俺に向けさせたかった。吠えてたのはそういうこと。以上」



