「あいつに選ばれるなんて、すげーな若葉」
……え?
「そういうのは隠さず教えろって」
……あれ?
「みんなは気持ち悪いとか思わないの? 僕たちはその……男同士で付き合ってて……」
「そりゃ俺だってビックリはしたけどさ、都守紅亜の相手が若葉なら納得っつーか」
「わかるぅ」
「恋愛なんてさ、本人たちが一緒にいたいなら同性でも宇宙人でも誰でもいいじゃん」
……みんな。
僕は愚か者だ。
優しいクラスメイト達を信じていなかった。
男同士で付き合ってることをカミングアウトしたら、変な目で見られる。
みんなが僕から離れて行ったら嫌だなと、最悪な未来を想像して怖くなっていた。
まずはいつメンの3人に、意識がない僕の手を握ってくれていた紅亜くんの優しいところを話してみようかな。
今日紅亜くんが小動物カフェに連れて行ってくれるから、放課後デートの報告も一緒に。
この時、僕は全く気づいていなかった。
僕と紅亜くんのことで盛り上がるクラスメイト達の中、甘音くんだけが悲しそうに唇をかみしめていたことを。



