メロンクリームソーダトライアングル


 首のホールドが解けた。

 代わりにごつごつした紅亜くんの手のひらが、僕の頭にのっかっている。



「友達どまりってことならまぁいっか。これからも若葉と仲良くしてやって」



 髪をくしゅくしゅされ顔を上げると、紅亜くんの口角が少しだけ上がっていてビックリ。

 笑ってる、ちょっとだけだけど、学校で終始冷たい表情を浮かべているあの紅亜くんが。



「午後の授業終わったら、若葉が俺の教室に来い」

「小動物カフェに連れてってくれるんだよね」

「オマエがハムスターにヒマワリの種を食べさせたいって言ったんだろーが。恋人の願いくらい叶えてやる」




「こっ……こいびとぉぉぉぉぉ?!」




 僕は叫んだ。

 いや違う、叫びそうになったけど、慌てて口を押さえ言葉を飲み込んだ。

 教室中に響いた悲鳴は、僕たちの会話を聞いていたクラスメイトたちのもの。

 天井が揺らぎそうなくらいの声量だったから、教室にいた全員による驚きの大合唱だったに違いない。