前から心配声が飛んできて、慌てて顔に笑顔を貼り付ける。
「ちょっとだけ、頭がズキズキしただけ」
嘘をついてごめんね、ズキズキ痛むのは心の方なんだ。
「保健室行った方がよくないか」と心配され「もう大丈夫」と微笑んでみた。
ぎこちない笑顔しか顔にはりつけられない。
作り笑いを浮かべる自分が嫌で嫌でたまらない。
「あんなかわいい彼女と付き合えるなら、俺も生徒会長やっときゃよかったわ」
「甘音と生徒会長選挙で戦うなんて無理。体育館のステージで国宝級イケメンの隣に並ぶとか、もはや拷問」
「この高校で甘音の隣に立ってイケメンオーラを放てるのは、紅亜くんぐらいじゃね」
「双子と幼なじみの若葉もそう思うよな?」
突然飛んできた質問に、異常に戸惑ってしまう。
初恋の相手と恋人の話題なだけに、なんて答えていいかわからない。
心の余裕がない僕は、無駄にへらへらと笑ってそして一言。
「紅亜くんはカッコいいからね」



