何気なく振り返ったと同時、新生徒会長と視線が絡んだ。
えっ、睨まれてる?
まさかね。学年が違ううえに、今まで話したことないし。
入口の外に立ち「失礼します」と教室内に向って一礼し顔を上げた彼女と、再び目が合う。
また睨まれた気がするけど、気のせいかな?
「あぁ、そういうこと」
敗北者にような顔でため息をこぼしたのは翔太くん。
「あの二人、絶対付き合ってる」
自信満々で断言され「甘音くんと新しい生徒会長が?」と、僕は驚きを隠せない。
「生徒会のことで教えて欲しいことがあるなんて、スマホにメッセ送れば済む話じゃん。
新旧の生徒会長同士が連絡先を交換してないなんてありえないし。
クラスや学年が一緒とかならわかる、でもあの子後輩だよ。
わざわざ先輩のクラスにまで来たってことは、隠れて付き合ってるスリルを味わいたかったか、好きな人の顔を一目でもいいから見たかったか、私の恋人は甘音先輩なんですっていう無言アピールか」
あの子が甘音くんの彼女なの?
そう言われてみると、そうとしか思えなくなってきた。
甘音くんが彼女に向ける瞳が、いつも以上に優しく揺れていた気がする。



