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「若葉が授業中に当てられて答えられなかったとこって、記憶がない頃に習ったとこだったよな」
「俺もそれ思った。あの先生、配慮足らなすぎ」
お昼休みは教室の最前列の机を借り、男子4人でお弁当を食べている。
「俺らのことまで忘れ去られてたら、マジ泣いたわ」
「中間テストの結果が最悪だったことまで忘れてる若葉がうらやましいんだけど」
「4人ともテストダメダメだったし」
翔太くん、龍之介くん、大地くんの口から同時にため息がこぼれ、3人の感情シンクロにクスっと笑ってしまった。
「そっかそっか、僕が記憶喪失になったのって、ダメダメな中間テストの結果を忘れたかったからか」
「んなわけあるか」
頭を軽くはたかれ「アハハ、大地くん酷いじゃん」と、僕の笑い声が教室中を駆ける。



