「俺のことは気にせず、いつでもうちに遊びに来てね」
やっぱり好きだな、陽だまりのように温かい甘音くんの微笑み。
……って、甘音くんに対してこんな桜色の感情を抱いちゃダメだ。
僕がいま付き合っているのは双子の弟のほう、紅亜くんなんだもん。
2か月分の記憶がすっぽりなくなってしまったせいで、紅亜くんを好きになった時の自分をどうしても思い出せない。
甘音くんへの恋心を捨てきれないまま紅亜くんの恋人という特等席を陣取ってしまっている僕は、人としてどうなのだろうか。
早く記憶が戻って欲しい。
紅亜くんを好きになった本当の自分に戻りたい。
そうしたら甘音くんへの恋心なんて、僕の中から消え去るに違いないから。
罪悪感が膨れ上がっていく。
紅亜くんを裏切っていると思うと、苦しくてたまらない。



