「なに?」と睨まれ、キッチンに立つ紅亜に視線を送っていたことに今さら気がつく。
若葉のことで話がしたい。
ソファから立ち上がり、俺は紅亜の前に歩みを進めた。
キッチンカウンターごしに、冷たくて挑発的な視線を冷酷な双子の弟に突き刺す。
「記憶喪になった若葉に、嘘を吹き込んだでしょ」
「は?」
「紅亜と若葉は付き合ってなかったくせに」
「だったらなに?」
「恋人同士じゃなかったのことを認めるんだ。今の話、若葉に伝えてくる」
勝ったと思った。
これで若葉を取り戻せると心が躍った。
でも恋のライバルは俺の上を行くようで



