驚きが強すぎて、思考が停止しかけた。
俺たちが付き合ってることを、若葉がたくさんの人に話したってこと?
でも今日のお昼休み、俺の前から逃げ出すほど若葉は嫌がっていた。
午後の授業が始まる前に若葉は階段から落ちたと先生が言っていたし、みんなに伝える時間はなかったと思うけど。
解けない謎に頭をひねる俺と対照的、若葉は純粋な笑みを浮かべている。
『誰に話したの?』と俺が聞けば、『たくさんいすぎて全員は覚えてない』と腕を組みながら首をひねりだして。
『みんなにはどんなふうに伝えたの?』
『僕と甘音くんは小6まで家が隣同士の幼なじみだよって』
ん、そっちのこと?
確かに俺たちは幼なじみだけど、俺が周知させたいのはそのことじゃなくて。
『若葉の恋人は……』とつぶやいた瞬間、若葉の頬が桜色に染まった。
『……そっそのことだけど……やっぱり聞いてるよね……甘音くんと紅亜くんは双子だし』
照れたように頭の後ろをさすりだした若葉に、違和感が強まる。



