『若葉はどうしたんですか?』
『昼休みに階段から転落したんだ』
『えっ、転落?』
『今は病院にいる』
『病院って……若葉は大丈夫なんですよね?』
『いくら生徒会長……いや前生徒会長とはいえ、お前にこれ以上は話せない』
無理やり若葉がいる病院を聞き出し、全力で自転車をこいだ。
看護師さんに病室を聞き、一人部屋のドアをノックする。
『どうぞ』
若葉の声だ、普段通り明るい声。
安心して涙腺が緩みそうになったが、情けない顔を見られたくなくてギュっと表情を引き締める。
ドアを開け目に飛び込んできたのは、ベッドで上半身を起こす若葉の姿だった。
『若葉、大丈夫なの?』
『急いで僕のところに来てくれたでしょ。甘音くん、すごい汗だよ』
よかった、若葉が笑ってる。
『階段から落ちて頭を打ったって聞いたら俺、心配でたまらなくて』
『ごめんね、驚かせちゃったよね』
『若葉ごめん』
『なんで甘音くんが謝るの?』
『俺たちの関係を公表するって話はもういいから』
『言っちゃダメだった?』
『え?』
『同級生とかみんな知ってるよ』



