このとき僕の頭上には、わかりやすく疑問符が浮かんでいたのかもしれない。
紅亜くんは真剣な表情で、僕の心にわからせるようゆっくりと言葉を紡いだ。
『甘音に彼女ができた。悲しむ若葉を俺が慰めた。俺から告白した。若葉がOKをくれた。俺たちは恋人になった。以上』
甘音くんに彼女ができた?
その時の僕はメンタルが病んだに違いない。
紅亜くんに告白された?
本当に紅亜くんは僕のことが好きなの?
あんなに僕のことを避けてたでしょ。
ショックと驚きのダブルパンチをくらった僕は、ビクビクしながら視線を紅亜くんに絡めた。
『嘘だよね……紅亜君が僕を好きだなんて……』
『高校で再会してからずっと避けてたのは、若葉と甘音が一緒にいるとこなんて見たくなかったから』
この時の紅亜くんは、普段の凛とした騎士顔が崩れていた。
真っ赤に染まる顔を見られたくないのか、顔に腕を押し当てながら僕に背を向けだして。
ツンデレ紅亜くんの照れた姿が、可愛いこと可愛いこと。
そんな彼を見て納得したんだ。
告白された時の僕は、魔王様の甘辛ギャップにやられたんだろうなって。



