悪っぽく微笑んむ甘音くんの胸を押し、なんとか逃げ出すことに成功した。
胸のバクバクが収まらない。
この空き教室に閉じ込められてからずっと心臓が飛び跳ねてる。
心臓が過労死しないか不安になるよ。
いったん平常心を取り戻したいから、僕は教室に戻ります。
甘音くんと紅亜くんはここに残って、双子の親睦を深めてください。
なんて、希望通りに事は進まないよね。
甘音くんから解放されたと思ったのに、今度は紅亜くんに捕まっちゃった。
ぎゅっと抱きしめられ、頭を撫でられ、血液に溶け込んだ幸福感が体中をめぐりだす。
鍛えられた力づよい腕に包まれる安心感、最高!
……って、幸福感に浸っている場合じゃなくて。
「ほんと俺、オマエのことが好きだわ」
見上げる先、魔王様の笑顔が咲き誇っていてドクンと胸が跳ねた。
「若葉は俺たち二人から同時に愛されたいんだったね。いいよ、その願いを叶えてあげる」



