「若葉聞いた? 紅亜は俺たち3人の思い出が詰まったメロンクリームソーダが嫌いなんだって。酷いよね」
「んなこと言ってねぇだろーが! あれは若葉と飲むからうまいんであって、一人で飲んだらただの水だ」
「シュワシュワなメロンソーダを飲んで味がしないなんてヤバいよ。味覚がマヒしてるから、紅亜は今すぐ病院に行っておいで。そのあいだ若葉は俺と二人だけでいろんなことしようね」
「俺の味覚は狂ってない! 言葉のあやだろーが! っつーか、空き教室に二人きりになって若葉に何しようとしてんだよ」
「えーとね、若葉をお姫様抱っこしながらのキスとか」
「はぁぁぁぁ、キスだぁぁぁぁ? ダメに決まってんだろーが!」
「決めるのは紅亜じゃないよ。若葉、今ここでキスしてもいい?」
ひゃっ、いきなりなにをおっしゃる甘音くん!
今、ここで? 紅亜くんの前で?
ムリムリ!
たかが唇同士の触れ合いだとしても、心の準備が必要だもん。
甘音くんの腕の中、全否定を込めてブンブンと髪を振り乱す。
「奥手な若葉には、ちょっと強引なくらいがちょうどいいよね」



