紅亜くんはそう言いながら、抱きしめていた僕を解放した。
僕の腕を掴もうと紅亜くんの腕が伸びてきたけれど、一歩遅かったみたい。
僕を捕えたのは甘音くんの方で、紅亜には渡さないと言わんばかりの力で僕を抱きしめてくる。
「はい、紅亜の負け。若葉は俺の腕の中に納まりました。若葉どう? 紅亜より俺に抱きしめられているほうが幸せを感じるでしょ」
抱きしめたまま僕を見つめないで。
おっとりにっこり微笑まないで。
大好きな甘音くんに心が奪われちゃう。
「甘音、若葉を返せ」
「さっきは紅亜が若葉を独占したんだから、次は俺の番」
「順番だからな。俺が60秒数えたら、今度は俺が若葉を愛でる」
「若葉を抱きしめたら、幸せすぎてずっとこのままでいたくなっちゃったな。ってことで、紅亜はこの部屋から出てってくれない」
「はぁ?」
「優しいお兄様に若葉を譲ってよ。今夜、紅亜の好きなメロンクリームソーダを作ってあげるから」
「いらねーし」



