膨れ上がる不安は抑えきれない。
この双子と自分を比べれば比べるほど、二人を独占する権利なんて僕にはないと、失格の烙印を押されたように気がめいってしまう。
闇に落ちていく感情を救い上げてくれたのは、双子のたわいもない口喧嘩だった。
「ったく、好きな奴をゆずってかっこよく立ち去る俺の計画、台無しにしやがって」
「ドS魔王様のくせに顔緩みすぎ。嬉しいなら嬉しいって言いなよ」
「若葉の彼氏第一号は俺、甘音は2番手」
「俺の方がお兄ちゃんなんだから、一番手は俺でしょ」
「生まれる順番は譲ってやったんだ、今度は俺が1番」
「じゃあ若葉に決めてもらおっか」
「おお、いいぜ」
「ねぇ若葉、俺と紅亜とどっちの方が好き」
とんでもない2択を迫られ、さっきまでの不安がすーっと存在を消した。
どっちが好きって、甘音くんも紅亜くんも大好きだよ。
二人とも違った魅力の持ち主だし、順位なんてつけたくないよ。



