甘音くんの提案は、わがままな僕が100パーセント望む形だ。
3人でつきあえるなんて夢のようで、そんな贅沢な恋を選んで罰が当たらないか心配になるほど。
独占欲の強い紅亜くんはどう思ってるんだろう。
感情を探るように紅亜くんを見る。
彼は僕と目を合わせた後、頭に手を置き「はぁぁぁぁ」と重いため息を吐いた。
「甘音はバカか。若葉のことをお前に譲るって、この俺が言ってんじゃん」
「魔王様っぽく格好つけての身を引く宣言だったけど、若葉のことを諦めきれないくせに。それともなに? 大好きなお兄ちゃんに若葉をプレゼントします的な? 紅亜って可愛いとこあるよね」
「にんまり笑顔で俺の頭をなでるな!」
じゃれあいの兄弟げんかを楽しむようにクスクスと笑う甘音くん。
笑い声が部屋に溶けたのち、甘音くんは急に表情を引き締めた。



