メロンクリームソーダトライアングル


 紅亜くんは一匹狼でキレイ顔の魔王様だって、子供のころから女子に大人気でしょ。

 生きてるだけでワイルドな色気を放っているからうらやましい。

 高校の男子も紅亜くんに憧れている人が多いし。



「急に俺を褒めるな、思ってもないくせに」

「幼稚園のころからカッコいいなって憧れてました」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、もう!」

「どうしたの紅亜くん、急に叫んで椅子から立ち上がって」

「肺がやられた」

「え? どういうこと? 大丈夫?」

「息吸いにくいから、キッチンでメロンクリームソーダ作ってくる」

「うわぁ、僕の大好物だぁ」

「若葉のためじゃない。強炭酸のどに流し込まねーと男として戦えないんだよ」

「何と戦う気なの?」

「そんなのどうだっていい。メロンクリームソーダを作ってる間に、今日俺が教えたことを頭に叩き込んでおけ!」



 照れ声を響かせた紅亜くんは、乱暴にドアを開け部屋から出て行ってしまいました。