「子供のころから若葉のことだけが大好きだよって伝えてきたでしょ。若葉以外が恋の瞳にうつらなくなった責任、若葉にとって欲しいくらいなんだけどなぁ」
「でもそれは、わがままを言う前の僕に対して抱いていた感情であって……屋上で酷いことを言った僕のことを、甘音くんは嫌いになったんじゃ……」
「あの時は俺が悪かったよ。男同士で付き合ってるのをカミングアウトするのは誰だって怖いよね。そんなことで若葉を嫌いにならないから安心して。でも悲しかったな」
「え?」
「記憶喪失になった若葉が、俺と付き合っていたことを忘れて紅亜とくっついちゃってさ。学校のみんなも公認で」
「あれは、止める間もなく紅亜くんが暴露しちゃったからで……」
「俺も教室にいたから紅亜の暴走が原因で若葉のせいじゃないってわかったけど、さすがにきつかった」
「ごめんね、甘音くん」
「若葉は何も悪くない。悪いのは全部うそをついた紅亜」
「その話はもう終わりってなっただろーが!」
「時効なんてない。紅亜には一生、お兄様を崇め奉ってもらわないと。なーんてね」



