「好きなだけ俺を非難してくれていいよ。そのかわり若葉は俺のね」
「甘音のじゃねーし、俺の恋人だし」
「フラれたくせに」
「オマエだってフラれたじゃねーか」
「若葉だって紅亜より俺の腕の中の方が居心地いいよね」
「鍛えぬかれた固い胸板のほうが、はりついてて安心感があるよな」
「ちょっと紅亜ずるい、まだ10秒も抱きしめてなかったのに」
「若葉、甘音から逃げるぞ」
「え?」
「若葉はいい子だから、俺とずっと一緒にいてくれるよね」
「え? え?」
「若葉は俺がもらう。甘音はこの先一生、恋人いない歴イコール年齢のひとりぼっち人生を歩んで行けよな」
「1か月だけ若葉と付き合ってました。紅亜なんて恋人同士だって記憶喪失の若葉に嘘を吹き込んだ詐欺恋愛しかしたことがないくせに」
「若葉は付き合ってた時、俺のことが好きだって思ったよな?」
「あっ、うん」
「ほーら、若葉は俺のもの認定されたぞ」
「大事な人をもの扱いした時点で、若葉の恋人になる資格なんてないから」
「宝ものっつー意味だ。替えがきかないかけがえのないもの」
「結局もの扱いしてるし。若葉は子供のころから俺のことが好きだったよね? 告白してくれた時に、俺を幸せにしたいって言ってくれたよね?」
「あっうん、言ったけど……」
……って、ん?



