今さらとんでもないことに気づいてしまった。
心臓が異常なほどざわつきだし、恥ずかしいと熱を帯びた頬を両手で隠す。
「違うんだ、さっきのは独占欲でも嫉妬でもなくて」
「俺への想いが深すぎて涙があふれちゃったんだよね。とことん若葉を愛でて甘やかしてかわいがっていいって、俺に許可をくれたんでしょ。フフフ、腕が鳴るなぁ」
ハチミツトロトロの甘い声の主は、とろけるような笑顔で僕だけに優しく微笑んで。
「俺は優しくするだけじゃ物足りない。若葉だって俺にいじられるのが大好きだもんな」
悪っぽく笑う紅亜くんの瞳には、困惑する僕がはっきりと映っている。
二人の優しいまなざしに心を奪われそうになるも、ぬわっと悲しみが顔を出し、弱々しい怒りが口からもれそうになる。
甘音くんには鈴ちゃんがいるじゃん……
紅亜くんだって兄弟げんかに僕を利用しただけで……
二人とも僕のことなんか好きじゃないくせに。
幼なじみをからかいたいだけなら、もう僕にかまわないで。
消したりたいんだ、二人への重すぎる恋心なんて。
苦しくてたまらない、嫉妬という心を痛めつける感情なんか捨て去りたい。



