首をかっさらう勢いで、強引に巻きついた誰かの腕。
何事?と首を傾げたかったが、そんな余裕さえ与えてもらえず。
斜め上に引っ張られ、お尻が椅子から離れていく。
気づいたら僕は机の横に立っていた。
巻き付いていた腕から解放されたが、一息つく暇はない。
女子のキャーキャー声のボルテージが上がった気がする。
いつメン3人がなんとも嬉しそうにニマニマ微笑んでいるから、なんか怖くて。
背筋のゾクゾクが気持ち悪くて、視線が床にこびりついてしまう。
「おい」
「わ~か~ば」
重なった二つの苦甘なハーモニー。
同時に僕の両肩に誰かの手が乗っかり、ひゃい?!
「この声は……」と、ようやく脳がフル稼働を始め……
恐る恐る振り返り……
「うわっ! 甘音くん? 紅亜くん?」
驚愕を口から吐き出した僕の背は、机にぶつかってしまった。
目の前に迫る二つの綺麗顔。
どうやら逃げるという選択肢は選べないらしい。
甘音くんがおっとりと微笑んでいる。
いや違う、目の奥は笑っていない。
微笑んではいるけれど、僕に何か言いたげな表情……うん怖い。



